心の支え
初めて脳腫瘍が発覚したのが21歳の時でしたが、当時は心の支えとなるものがありませんでした。
大学は鬱症状により中退していますし、引越しが多かった事から友人が一人もおりませんでした。
相談できる相手もいないので一人で抱え込み、鬱と不眠の中で最悪の想定ばかりしていました。
当時はプロのミュージシャンになりたいと思っていたので「プロになれなければ手術せずに死ぬ!」とも言っていました(笑)
今思うと夢にすがる以外になかったのです。
そもそも音楽を始めたきっかけが「音楽が好きだから」ではなく「孤独だから」でした。
高校時代は一人だったので「音楽をやればみんな集まってくれるのではないか?」と思ったのだと思います。
最近になって分かったのですが、自分が本当に求めていたのは「夢を叶える事」ではなく「人との繋がり」だったようです。
人との繋がりを取り戻すための手段として音楽を求めていただけでした。
脳腫瘍が再発した今も、特別心の支えとなるものはありません。
音楽は今となってはどちらでもいい事ですし、札束が目の前に転がっていても見向きもしないと思います。
恋人がいるわけでもないですし叶えたい夢や目標もありません。
ただ自分の事を心配してくれる人達が何人かいます。
この人たちに心配をかけたくない、この人たちを悲しませたくない...これが今の自分のモチベーションになっています。
自分一人の命じゃないと、ようやく気が付くことができました。